登山参詣(お山かけ)
真山(567m)・本山(715m)は「お山」とよばれて親しまれています。
真山神社から門前地区に至る山中に祀られる神々の跡かたには、山岳信仰の歴史が随所に見られます。この道は修験者の行道として開かれ、江戸時代には山掛け道として庶民の登拝も盛んに行われていました。現在でも、5月末にお山開き神事が行われ、春から秋にかけて登山参詣(お山かけ)に出かける多くの人で賑わっています。
また、お山には約千種の植物があり、鳥類なども多く見られ、貴重な地質などを含め自然の博物館とも言われています。
「お山かけ」は、登山参詣に加えて、健康のために山歩きを始めた年輩の方や神社めぐりが趣味の女性から、隠れたパワースポットとして人気があり、初心者〜中級者向けの優良なトレッキングコースにもなっています。
薬師如来座像(秋田県指定有形文化財)
神社南側後方の小堂には、神仏習合時代以来の別当光飯寺のご本尊、薬師如来座像が祀られています。この像は南北朝時代の作と見られ、今日に至るまで篤く崇敬されています。
お堂の中には江戸時代の雑俳の献額もあり、幅広い信仰の様子もうかがえます。
五社殿(秋田県指定有形文化財)
お山かけの入り口でもある、社殿と薬師堂の間に続く石段を踏みのぼり、鬱蒼とした老杉並木を通り抜けると五社殿が見えてきます。古くは、その名の通り五つのお社がありましたが、江戸時代後期に焼失してしまいました。そのため、残った1社に合祀し、現在の場所に遷されました。
この殿内には、文化年間以降の参詣者の落書きが所狭しと記されており、当時を知るための貴重な資料ともなっています。四国・大阪・新潟・松前など諸国からの参詣の跡が見られ、歴史的著名人も詣でていたことがうかがえます。