平成28年9月定例会 一般質問
2016,09,06(火)
皆さん、おはようございます。9月議会一般質問のトップを相務めます市民クラブの船木正博です。傍聴席の皆さんには朝早くからお出で頂きありがとうございます。今回は市民に直接かかわる身近な環境問題を取り上げてみました。市民を代弁して述べさせていただきます。
どうぞ、ご清聴の程よろしくお願いいたします。
まずは、「風力発電による受信障害について」の質問です。
「男鹿総合観光案内所」傍の風力発電施設建設による環境への影響、近隣地区でテレビ映りが悪くなる電波障害発生等について、昨年12月の一般質問でも取り上げましたが、今回はその後の動向、状況等を含めまして再度質問させていただきます。なお、この事に付きましては、本年6月に開催された議会報告会でも市民との質疑がありましたことを申し添えます。
現時点で障害が発生し、事業者がこれの解消のためアンテナを高くしたり、ブースターの設置を行ったりした戸数は、船越一向地区を中心に40戸以上に上がっていると聞いていますが、潜在的にその何倍もの被害があるようです。このアンテナの改修やブースターの設置では、受信障害を解消するに至っていないものが散見されます。この状況に対して事業者は更にアンテナを高くし、障害を解消しようとしていますが、将来の維持管理における負担などを考慮し、これに対して難色を示している住民は少なくありません。この受信障害は全国的に過去の発生状況や当該地区の地形から判断して、電波が反射されたり遮蔽されたりすることでテレビの画面に影響が出る、フラッター障害が発生しているものと考えられます。当該地区でのフラッター障害については、環境影響評価準備書縦覧の際に、住民等の意見としてこの発生が危惧されていたにも関わらず、環境影響評価の前後を通じて十分な対応がなされていなかった模様です。
そこで質問いたします。
1つ目は、今回、障害が多く発生している船越一向団地は、より低地で、より風力発電施設に近いにも関わらず環境影響評価でテレビ受信状況調査の調査地点として、なぜ選定されなかったのでしょうか。
2つ目は、事業者がアンテナ等を改修したものについて、今後修理が必要となった場合、だれが負担するのか。また、今後住宅を新築した場合、誰が負担するのでしょうか。
3つ目は、8月31日から試験運転を行い、11月1日からは営業運転を開始するということで、今後さらなる被害拡大が予想されます。これらの対策は取っておられるのでしょうか。
4つ目は、受信障害が発生した地区全体の不動産としての価値の減額に対して、事業者の補償はどうなるのでしょうか。
5つ目は、これらの不安を解消して住民が安心して暮らせる様に将来に向けた対策として被害地域と事業者で協定を結ぶ必要が有るのではないでしょうか。
6つ目は、電波の安定供給として、事業者が共同アンテナを設置して、これを維持管理することが最良の解決策だと思いますが如何でしょうか。これは要望でもあります。
7つ目は、船越町内ではこの電波障害のことが話題になっていますが、説明会は開かれていないようです。事業者により8月下旬に運転開始のチラシが配られましたが、詳細が分からないため説明会を開いてほしいという要望が出ています。事業者に対してこのことを指導していただけないでしょうか。
8つ目は、事業者は県有地の普通財産を賃貸して施設を設置していますが、他の事業者が民有地を貸借して同施設を設置している場合と比較して極端に低額であるのはなぜなのでしょう。また、同施設の賃貸借期間が20年間と相当長期なのに対して、賃貸期間が1年、あるいは3年と短期間なのはなぜでしょうか。
9つ目は、同事業に対して国、県、あるいは、市から補助金が支出されているのか。支出されている場合その額はどの程度なのでしょうか。
10ケ目は、この風力発電による受信障害問題について男鹿市としての見解を求めます。
以上、10項目質問いたしましたが、市民が疑問に思い、実際影響を受けている当事者が見受けられ、今後に不安を感じている住民がいることから市民の代弁者として述べさせていただきました。男鹿市民の住みよい暮らしを守るのが行政の務めであろうかと思います。先回の答弁ではこの計画に関して男鹿市は直接関与していないということでしたが、行政として市民奉仕の立場から、県と市と業者との連携・手続き、指導等、いろいろ考えられると思います。市民とのコンセンサスを得るためにも、垣根を飛び越えてより適切な対応をお願いしたいものであります。
企業活動によって過去にも様々な環境問題が発生し、近隣住民とのトラブルを解消するため、各種法令等の整備がなされてきたものですが、企業の新たな経済活動は住民との新たな環境問題を発生させ、行政による法令等の整備が必ずしも追いついていないのが現状です。今回の風力発電設置に伴うテレビ受信障害も、行政の狭間に生じた新たな環境問題と考えられますが、過去の同様な環境問題がどのように解決され、どのように位置づけられたのか。その方向性を見るときに、この問題に対する住民としての対応、企業としての責任、行政としてのあるべき姿を捉えることができます。これをなおざりにして企業は一方的に経済活動に専念し、住民は一方的にその被害を受忍させられ、行政はただこれを傍観するというようなことがなく、互いの安心と信頼が将来の希望へとつながる地域であり続けられるよう切に願うものであります。
市長の賢明なる御答弁をお願いいたします。
次に、「地域住民の衛生管理の促進と、人間と動物の共生について」質問いたします。
最近とみにあちこちに猫が多く見受けられます。飼い猫、野良猫、飼われてはいないが餌を与えられてその住宅地に住み着いている猫、等いろいろですが、自由奔放な猫のこと、周りを歩き回っては糞尿を垂れ流す。こうした糞尿は,まちの美観を損ない,臭気等によって住民や公共施設の利用者等に不快感を与えるだけでなく,地域の衛生環境を悪化させるなど,多くの問題を生じさせています。中でも問題なのは野良猫への餌やりです。猫を可愛がる心は分かりますが、安易に野良猫に餌を与えることは処々の理由により控えるべきと思います。動物と人間の共存共栄が図られることが大切ですが、公衆衛生上、地域の居住空間を犯してまでも手をこまねいて放っておくことには問題があります。また、給餌により増えた野良猫は、飢死、捕獲、そして殺処分となるなど、不運な末路を辿ることにも繋がります。ゆえに、動物愛護の精神をもって双方が共生できる住みよい社会環境を作っていきたいものだと願っております。
以上を踏まえ、「地域住民の衛生を促進」し、「人間と動物との共生」を目指す観点から、以下の質問をいたします。
1.当市における、犬・猫の殺処分の現状と、殺処分頭数の推移について
2.地域住民への啓発活動の現状と町内会としての取り組みの推進について
3.飼い主の「責任意識の向上」等を目的とした、固有の識別番号が記載された「マイクロチップ」の装着助成の推進について
4.「多頭飼育」の場合の届出義務化について
5.野良猫を良好な生活環境下におき、現状以上に増やさず、将来的には野良猫をなくす為、
@「条例」に基づく適切な給餌方法の明確化、及び、遵守基準の明確化について
A譲渡事業「子猫の一時預かり在宅ボランティア制度」の創設について
B「避妊・去勢手術」の推進について
以上につきまして、お考えと対処法をお伺いいたします。
次に、「動物による迷惑防止条例の制定に向けて」の質問です。
野良猫の糞尿被害は困ったものですが、殺処分など、動物の命を人為的に奪うという行為は、人間のおごりと言わざるを得ず、「命の大切さ」最終的には「人命の尊重」にも悖る行為です。
このような状況は、猫にとっても人間にとっても望ましいものではありませんが、当市において、無責任で安易な野良猫への給餌が原因で、何ら関係のない地域住民が、「時間的」「金銭的」「精神的」な負担を強いられている現実があります。また、糞尿被害を受けている地域住民と、給餌している当事者との感情的な対立が惹起され、好ましからざる状況が懸念されます。この問題解決に向けて当事者同士では限界に直面する現状にあります。そんな状況に何とか手を着ける対策をとる必要があると思い今回の提案となりました。
一つの例として、自治体において独自に条例を定めているところがあります。「京都市動物との共生に向けたマナー等に関する条例」がその一例です。その内容としては、動物による迷惑事象の防止に向け,具体的な規制行為を示し,違反に対しては罰則等の措置を講じることで,実効性ある取組を進めていこうとするものです。
そこで、本市でも条例制定に向けて動いてみていただきたく、提案いたします。
例えば、「犬猫等ふん尿被害対策検討プロジェクトチーム」を設置し、対策の検討を進めていただき、条例制定に向けて取り組んで貰いたいのであります。
市長の掲げる3K、即ち、教育・観光・環境が豊かな文化都市の一環でもあります。
市長の前向きな考えを伺うものであります。
次に、「男鹿の海と未来を守るために」を質問いたします。
近年、八郎湖湖水の放流により、船越水道から船川方面に至る日本海沿岸地域に汚水が流出し、男鹿の海への影響を懸念する声が高まってきています。汚水の浄化策の実施もされているとは聞きますが、その効果は限定的といえるでしょう。特に夏場では、八郎湖残存湖一面が緑色と化し、アオコ等の大量発生による悪臭も酷く、緑や赤茶けて濁った流水は悪臭を伴って太い帯の様に船越、脇本方面へ流れ出し、船川港内は基より外防波堤を越え、石油備蓄基地から更に南磯方面にまで至っていると聞いています。
年を重ねる毎に、船川湾や南磯方面へ、海洋汚染による生態系への影響は少なからず悪化の方向へ進行しているのではないでしょうか。また、漁業者にとっても魚へ匂いがつき売り物にならない、商品価値が下がる、刺し網への絡みつき、などの悪影響が出ていると聞きます。
男鹿半島は、海洋の恩恵を基本として観光業で成立つ国定公園であります。海の持つ恵みと共に存続しなければなりません。未来を考えていく事は重要な課題であり、男鹿を取り巻く海洋環境を常に見つめ、守り、進化して行かねばなりません。
そこで伺いますが、
@これまで汚水流入による海洋環境の変化を追跡調査はしていたのでしょうか。
Aその対応はどうだったのでしょうか。
B男鹿市として対処できることはあるのでしょうか。
C漁業への影響はどう考えているのでしょうか。
D現状認識として如何お考えでしょうか。
E今後どんな対策をとっていくのでしょうか。
以上の6項目を質問いたします。
次に、「市長の政治姿勢について」お伺いします。
1.市長公約の実現状況について
市長はこれまで2期、7年と6ヶ月間、首長の激務をこなして頑張って来られました。市長の任期はまだ6ヶ月残っているわけですが、現時点での公約の成果についてお尋ね致します。
まず、これまで掲げた公約の中で何を達成し、何が未達成なのか。市長が自信を持ってこれはと言える成果は何でしょうか。今後に引き継ぎたい重要課題は何なのか、お聞かせください。また、総括として、達成度、任期中の感想を含めて、この2期を自己採点するとしたら百点満点の何点になるのでしょうかお聞かせ願います。
2.来春4月の市長選再出馬について
市長選挙に関しては、来年4月ということが決まっております。残すところあと6ヶ月、そろそろ巷では市長候補の噂が取り沙汰されています。これまで渡部市長からは本市の直面している諸課題について全力で取り組んでまいります、という趣旨の言葉がありました。市長選挙まであと6ヶ月となりました。そろそろ意思表示なさる時期になったのではないでしょうか。引き続き市政を担っていく覚悟はあるのでしょうか。市長の真意をお聞かせください。
3、複合観光施設に市民の声を
複合観光施設についてはこれまでいろいろ議論がありました。当初は船川駅前開発から始まり、それから男鹿駅前周辺整備基本計画になり、今では複合観光施設、道の駅構想とその呼び方が変わってきております。これは最初からこれだという終始一貫したものがなく、その都度、状況によって体裁を繕いながら変更を繰り返し、今に至っていると言えるのではないでしょうか。
運営形態は公設民営とありますが、その民間の運営主体もいまだ確かなものになっていないようであります。指定管理者制度とか、嘱託職員を雇うとか、支配人を募集とか、紆余曲折がありましたが、その結果はどうなったのでしょう。また、市民への説明も不十分であり、大方の賛同を得ているとはいえません。議員開催の「町中を考える会」の議論からもそれは見て取れます。多くの疑問が投げかけられました。6月定例会では一般会計補正予算として提案された複合観光施設整備費の実施設計業務は採決により承認されませんでした。それが議会の意志であり、市民の声なのであります。このことは、期日に追われ、熟考できないまま闇雲に進んできたからであります。歩きながら考え実行するということですが、そんな先の見ないいい加減なことでどうするのでしょうか。大事業を行う行政のやり方とも思えません。初めから計画ありきで拙速すぎたのではないでしょうか。本議会からは、「運営主体が不明確であり、現状の事業計画については見直し再検討すること」。と申し入れていますが、それを受け止めているとも見えず、未だにその意思は不明確であります。そんなことでこのまま突き進んでいいのでしょうか。ここは今一度、原点に立ち返り、しっかり市民からの意見を募り、最初から手順を踏んでやり直したらいいのではないでしょうか。はっきり言います、今のこの計画は白紙に戻し、新たな構想をもって再考すべきです。いつまで実のない議論を重ねればいいのでしょう。経費と時間の無駄、それと職員の労力の多大なる損失です。これまでかけた時間と浪費は取り戻せませんが、このままずるずると引き伸ばしにしている場合ではありません。男鹿市の財政状況はそんな悠長なものではありません。きっぱり諦め早く方向転換するべきです。不毛な議論はもう止めにしましょう。 もし、どうしてもそれをやろうとするのであれば、今の計画を再検討するとして、私から御意見を申し上げます。それは、男鹿市全体の将来像考えて、人口減少問題を含め、最適な場所は何処なのか、運営方法は公設民営がいいのか、あるいは、官民連携施設が妥当なのか、規模、内容は、予算、財源確保など幅広い議論が必要と考えます。そのために先ずは市民の意見を反映するため意見交換会を開くこと。並びに、検討委員会を立ち上げる。各層・団体からの意見を聴取し、パブリックコメントを反映させるなどの手続き経てから進めるべきと考えます。この点が今まで欠けていた部分と言えましょう。即ち、複合観光施設に市民の声をというわけです。
そこで市長に申し上げます。もし来年の市長選挙に出馬するのであれば、この問題は一時棚上げにし、改選後に再度取り組んでみてください。複合観光施設を公約として掲げ、選挙の争点として、建設の是非を問い、市民の理解と合意を得たなら、それは大きな力になるはずです。晴れて当選の暁には市民が後ろ盾となり公約実現に大きく結び付くでしょう。それが市民の意志となるからです。その時は私たちも再度、真摯に議論いたします。如何お考えですか。
以上、市長の政治姿勢についての質問でした。市長はよ〜く吟味の上お答えください。
これで、第一回目の質問を終わります。
市長の誠意のあるご答弁を期待しております。