平成27月定例会 一般質問

2015,06,22(月)

おはようございます。市民クラブの船木正博です。

先週の土曜日、本市にかかわる衝撃的な事件が報道されました。まさか本市でこんなことがと思うと残念でなりません。今一度、管理者はじめ職員一同は襟を正し、我々議員はより一層、市制へのチェック機能を果たすとともに、市民への負託に応えなかければいけないと痛感しております。それでは始めます。

「このまちの 行くすえ案じつ 我はまた 再生のみちあえて探らん」。この拙歌(せっか)は小生の心境を詠んだ短歌です。今回の一般質問は男鹿市のまちづくり、人づくりについて日頃考えていることを取り上げてみました。一緒に考え、御賛同いただければ有り難いことです。なお、これまでの各議員の質問と重なる部分もありますが、市長は真摯にお答えください。

それでは、1番の、「郷土の振興を図るまちづくり」について質問いたします。

最初に@の、「男鹿駅周辺整備基本計画に対しての考察」であります。

男鹿市の人口は3万人を割り込んだ。急速に人口減少が続く男鹿市の危機的現状を捉え、人口減少に歯止めをかけ、活力ある市民生活を維持し、郷土の振興を図るためには、どのようなまちづくりが必要なのか。男鹿市全体の活性化を図るにはどうしたらいいのか、ともに考察してみたい。

今、男鹿駅周辺整備基本計画の構想が示されている。夢の溢れたすばらしい計画であり、豊かな未来を想像させる。要所に素敵なイメージと、魅力的な言葉が散りばめられているが、コンサルタントに踊らされている感も無きにしも非ずである。現実はもっとシビアではないだろうか。その事業内容、位置的条件等を今一度厳しく審査しなければいけないと思う。まず位置的条件としては、今予定されているあそこでいいのだろうか?ああいう施設はまず地元住民が盛り上がり情熱をもって参画しなければならない。現状では地元の人でさえこの地でいいのか疑問に思っている人がいるほどだ。市民の多くもまた然りである。いくら意気込んで行政主導で計画されても地元住民が乗ってこなければどうにもならないのである。ほかの事例を見ると分かるように、多くの公設民営の施設が運営に失敗し、閉鎖、あるいは規模縮小に追い込まれている。今の男鹿市にそんな(てつ)を踏む余裕はないのである。発表された中心市街地活性化プログラムは実現すれば素晴らしいものだが、「絵に描いた餅」にならないだろうか。本当にこの地に適したものなのかどうか、はたしてこの地区にこの種の計画を立てて実行したとして再生能力はあるのだろうか。男鹿市の中心市街地として発展可能なのだろうか。はたまた、最も適した地区は何処だろう、などなど・・。多額の血税が伴う事業である。市長の意気込みは理解できるが、もっとじっくり精査して然るべきである。将来に禍根を残し、お荷物になるようなことは絶対してもらいたくない。もしそうなったら誰が責任を取るのだろうか。無責任では困ります。その頃、当事者は殆どいなくなっているだろうから。10年後、20年後、人影がなく、廃墟だけが空しく(たたず)んでいる光景は想像したくないですからね。したがって、より効果的で成功率の高い地域選定を再度検討してもらいたい。

例えば、プロジェクトの事業概要の1、の中に、観光物産振興の核となる複合観光施設の整備とあるが、このことは以前より議会において男鹿総合観光案内所へ設置するべきと言う議論がなされてきた。それと同類の施設なのである。なんで今ここに新たに整備するのか、納得がいかない。何も新しく大枚をはたいて箱ものを作る必要はないであろう。今ある既存施設に増設すればいいことである。その方が複合観光施設としてよっぽど効率が良く、財政の負担も軽減されるはずである。すでに男鹿総合観光案内所は巨大なまはげ立像があり、カメラ撮りする人気スポットとなり、知名度もある。男鹿の玄関口として観光物産施設を併設し、合わせて道の駅化を図ることによって益々男鹿への誘客を図ることが出来るであろう。その人の流れが男鹿市全体への波及効果となり得るものである。ここは国道沿いで車の往来も多く、今の奥まった予定地よりはずっと将来性があると思われます。

このことを市長はどう思われますか? 賢明な御答弁を期待しております。

 

さらに、この基本計画の目的の中で「男鹿市全体の持続的発展と活性化を見据えて」とありますが、全国的な縮小社会の中で人口減少の歯止めと増加を図るうえで、男鹿市のどの地区が一番実効性があると思いますか?男鹿市の将来と、現在の市内の実態を良く考えた上でお答え願います。

市長、このことは男鹿市の存続(そんぞく)に係わる重大な判断になります。政治生命をかけて決断してください。

 

参考までにお知らせしますが、去る、6月10日、市民クラブ会派一同で岩手県の紫波町(しわちょう)へ、まちづくりの成功事例であるオガールプロジェクトの概要を学ぶため視察に行って参りました。男鹿市の参考になればということで真剣に考え行動しております。紫波町は人口約3万3千人の町ではありますが本市よりは人が多いところです。人口は横ばいで、世帯数は微増だそうです。プロジェクトの事業形態は公民連携手法による民間の提案を活かしたPPP事業です。まちづくりの手順、運営手法などについて研修し、エリア内を見学してきました。主な施設内容としては、直売所、飲食コーナーなどの民間部門と、図書館、子育て応援センターなどの公営部門。情報交流館などの共有スペースです。現地を視察し成るほどと感心いたしました。

そこでお尋ねします。男鹿駅周辺整備基本計画の事業の進め方はどのような手順をとっているのでしょう。計画から竣工、オープンまで順を追ってお知らせください。また、この整備計画の意見収集、検討会、住民説明会は何回開催し、どんな意見が寄せられていますか。合わせてご説明願います。

次にAの、男鹿船川「再生のみち」試案であります。

船川地区の現状をみると社会的要件、地理的条件において商業圏としては成り立たないと思います。観光物産施設などの箱物は失敗する公算が大であります。あえてこの地区に建設するということは無謀な試みであり理解に苦しみます。むしろ船川は工業地区としての発展を考えるべきであり、地場産業の育成と振興、工場誘致、水産業の振興と港の活用、関連施設整備などであります。ましてや船川には立派な港湾施設があり、広大な敷地を持つJX日鉱日石エネルギー社があります。それらに関する一連の産業構造を形成し振興を図るべきであります。そのことの方がこの地区には一番適していることだと考えるし、将来に展望が開けてくると思うのであります。工場地帯として二次産業を構築し、水産業などの一次産業を取り込み、しいては六次産業化へと発展させることのほうが船川地区再生のみちと考えますが、どうでしょうか。

一例を上げると、先回の一般質問でも申し上げましたが、将来の水素社会の実現を見据え、次世代エネルギーとして期待される水素関連企業の誘致を図り、水素製造プラントの生産拠点として未来のエネルギー供給基地を目指すことです。さいわい船川にはそのノウハウを持つJX日鉱日石エネルギー社があります。流通関係の鉄道及び港湾施設を有し条件が整っています。その優位な総合環境をもって製造プラントを立ち上げることにより関連企業の構築も可能となります。船川の復興にも大いに寄与することでしょう。将来、膨大(ぼうだい)な需要が見込める水素エネルギーであります。この水素関連プロジェクトの実現に向けて市長には一層の取り組みをお願いしたいところですが、どうでしょうか。

船川の再生は、新たに商業施設を作り、外から人を呼びよせ、一時的な交流人口を増やそうとしても、それは水ものであります。その前にしっかりと地場産業を盛り立て、人口増を図るのが先決であり、賢明であります。

将来、産業振興による雇用の確保と、定着人口の増加により活性化が図られ、それらの人たちが地元の商店で買い物をし、飲食を楽しみ、まちを散歩することにより、賑わい(にぎわい)が創出される。購買力も高まり地元の商店も潤うことになり、まち全体に活力が生まれる。これが私の試案でありますが如何でしょうか。今後の計画に取り入れてもらえたら有り難いことです。

 

次にBは「ジョイフル跡地問題」についてであります。

昨年12月の一般質問でも取り上げましたが、その後、渡部市長から土地所有者へ働き掛けて頂いたと聞いております。私たちもアプローチを掛けてみましたところ、状況等、いろいろ動きが見えてきました。

その動きを加速させるため再度の質問になります。

 先月、ジョイフル跡地の問題を話し合うべく、我が会派、市民クラブの有志と共に、大館にある「いとく本社」を訪ね、いとく会長と開発部長のおふた方と面談してきました。その時のお話では、「ほかの開発はおおむね一段落して、今後、船越のジョイフル跡地をどうするか考えているところだが、13,000坪の広大な敷地があり当社一社では広すぎてどうにも手に負えない。どこか一緒に参入してくれる企業を探しているところだがなかなか見つからない。あそこは男鹿市の中では最良の場所なので何とかしたいと思っている。男鹿市が参画していただき一緒に開発していただけたら有り難いのだが。あるいは、男鹿市で何らかの施設を考えてもらえたら一緒にタイアップしてやっていきたい。」との趣旨のお話をいただきました。つまり、複合体によるコラボレーションをも視野に入れているということです。先程の紫波町のオガールプロジェクトが参考になると思いますがどうでしょうか。男鹿市が民間活力を生かして開発できる貴重なチャンスと捉えることはできませんか。従来型の行政主導の事業と違い民間の発想と活力を利用できるとともに、人口減少を抑え、本市の活性化につながることだと考えます。

市長はこのお話を前向きに考えて進めることはできませんか。男鹿市全体の利益と存続を考えて、ご答弁をお願いします。

 

それではCの「老人に優しい福祉のまちづくりを推進」を提唱して、1番目の、まちづくりを締め括ります。

今回の男鹿駅周辺整備計画の目的に、「歩いて暮らせるまちづくり」の実現を目指すとありますが、全ての人に優しい試みとは限りません。若くて健康な人であればよいですが、お年寄りにはきつい面もあります。高齢者が安心して歩いて暮らせるまちづくりはどうするのか。特に高齢化率が高い男鹿市にとっては重要な問題であり、お年寄りに優しいまちづくりが課題であります。また、身体の不自由な人への配慮も必要です。それらの点はどう考えているのか伺います。

また、私は「老人に優しい福祉のまちづくり」を提唱します。老人福祉施設を充実させ、シルバーエリアを形成し、日本創生会議の高齢者移住提言のように東京から高齢者を受け入れたらどうか。実現には財政問題などいろいろ課題もあり賛否両論はありますが、今の男鹿市にとっては有り難いことです。医療・介護分野で新たな若者の雇用が生まれ、人口減対策にもなります。また、日本版CCRC構想の実現を視野に併設して取り組むべきと考えています。首都圏から健康なお年寄りが移住することにより新たな消費が生まれ、 余裕とお金のある元気な高齢者が増えることによりコミュニティーの活性化が図られる。

以上のことから「老人に優しい福祉のまちづくり」を提唱し、シルバ―エリアの男鹿市内への設置を要望いたしますが、御賛同いただきたい。

 

次に2番目の「市長の政治姿勢について」お尋ねいたしますが、市長の教育観を含めて質問いたします。

地方の過疎化に一向に歯止めがかからない状況にあって、国をあげて「人口減少克服(こくふく)・地方創生」という課題に取り組んでいるところであり、今月初め、県では、秋田版総合戦略の素案を示し、各種課題の克服(こくふく)のための政策に取り組もうとしています。本市においても、過疎化傾向への歯止めは、これまでも喫緊の課題と捉え、各種政策に取り組んでいると認識していますが、国、県が取り組もうしているこの機会に、改めて男鹿版の総合的な計画を作成し、市の課題に取り組むべきでないかと考えるがいかがでしょうか。

また、地方創生関係のプログラムがあるようでしたらお知らせ願います。

 

 過疎化傾向の大きな要因の一つに、若者の定着が進まないことが上げられると考えています。雇用の場の確保、雇用条件の改善、子育てしやすい環境作り等、急がなければならいことは当然として、一方、若い人が地域に定着し、市の活性化に寄与するといった意識を持ってもらうことも非常に大事なことであると考えています。

その為には、地元の現状を知ることが必要と思いますが、これまで、どのような取組をしてきたかお聞きいたします。

また、若者がふるさとへの愛着を持つことは、非常に大事なことであると考えています。学校教育においても、ふるさと教育には力を入れ、地域との交流等を大事にしていると思いますが、地域においては、伝統文化の維持のため、担い手育成に難儀している地域もあると聞いています。地域の伝統文化に率先して参加する意識は、小さいときからの体験が大きく影響してくると思いますが、これまでどのような取組をしているかお聞かせください。

人口減少克服(こくふく)に対しては、特効薬はなく、あらゆる方面からの総合的な計画が必要であると考えていますが、次代を担う若者のリーダー養成が大きなウエートを占めることは間違いないことであり、今、どのように進めているのか、また、今後どのように進めていくか、お聞かせ願います。

 

最後にお聞きします。新教育委員会制度の施行に伴い、県内で初めてとなる「男鹿市総合教育会議」を開催したとの記事がありました。県内のトップを切り開催し、いち早く「男鹿市教育大綱」を策定したことは渡部市長の教育への熱意が感じられ喜ばしいことであります。今後、市長が教育行政の先頭に立って取り組むにあたって、その思いや、方針、また、教育委員会との関わり方についてご説明願います。

 

以上で第一回目の質問を終わります。市長の誠意あるご答弁をよろしくお願いいたします。

 

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