平成2612月定例会 一般質問

2014,12,08(月)

傍聴席の皆さん、おはようございます。市民クラブの船木正博です。師走のお忙しい中をお出でいただき誠にありがとうございます。よろしく御拝聴の程お願いいたします。今回は、男鹿市の最重要課題である人口問題を取り上げました。どうか皆さんもご一緒に考えてみてください。

では、最初に、そう遠くない男鹿市の最重要課題についての質問です。

今年の5月に発表された日本創生会議の増田リストによると2040年には全国1,800の自冶体の半分が消滅する可能性があるとの衝撃的な試算が公表されました。即ちこのまま人口減少が終息しない場合、自冶体運営が行き詰まり、単独では立ちゆかなくなり、近隣市町村との編入や合併が進み、慣れ親しんだ市町村が無くなるという訳です。

その消滅可能都市の筆頭として男鹿市が挙げられておりました。このことはテレビで全国放映され男鹿市の知名度は上がりましたが誠に複雑な気持ちで残念な思いであります。全国の男鹿市出身者からもどうしたことかと問い合わせがあります。このように本市にとって人口減対策は緊急の課題であり、存続(そんぞく)に関わる最重要課題です。将来的な構想を持った具体的な計画と政策が必須だと考えます。

まず、これまでの人口推移について述べてみましょう。住民基本台帳によると、男鹿市の人口のピーク時が1960年の50,918人でした。今年の201410月末現在では30,320人となっています。すなわちこの54年間で約2万人減少したことになります。それでは将来、男鹿市の人口はどうなるのでしょう。国立社会保障・人口問題研究所の発表では、26年後の2040年には,更に約16,000人まで減少し、高齢化率については50.5%と予想されています。さらに、日本創成会議の発表では、20歳から39歳までの女性の減少率においては74.6%で県内25市町村の中で最高の値となっています。つまり子育て世代の女性が極端に少なくなると予想されています。まとめますと、そう遠くない将来,男鹿市の人口は今の約半分まで減少し,出生率の低下は全県一位,高齢化は進み、市民の約半数は65歳以上が占めると予想されています。よって地域は衰退し、活力が無くなっていくことでしょう。   皆さんはこの予想に対してどのような感想を抱きますか。

*例えば市民目線で考えるとつぎのような不安が考えられます。

・今までのような行政サービスを継続することはできるのでしょうか?

・市民にどのような負担が掛かってくるのでしょうか?

・地域コミュニティーは維持できるのでしょうか?

・行政や議会は本気でやる気はあるのでしょうか?

・男鹿市は将来存続できるのでしょうか?・・・

などなどです。

そこで,市長に以下の5点について質問いたします。

@男鹿市の人口減少問題に対してどのように分析しているか。

A分析結果を踏まえ、どのような計画と政策があるのか。

B人口減少によって市民にどのような負担が掛かってくるのか。

C男鹿市が存続するために必要な最低人口は何人と考えているのか。

D市民の意見を吸い上げ行政に活かす具体的な施作はあるのか。

以上の5点を質問いたします。人口問題は一筋縄ではいきませんが、皆の英知を結集してこの最重要課題を克服できるようなご回答をよろしくお願いします。

 

次に、人口増加に繋がる船越の都市計画について質問いたします。

これまで船越は男鹿市で唯一の人口増加地区でありました。ところが、ここ暫く人口増加は足踏み状態であり、減少傾向にあります。広報おがの人口と世帯数を見てみますと、昨年の9月から今年10月の一年間で83人が減少しており、もはや船越地区も人口減少に転じております。そして、男鹿市全体の人口はこの一年間で666人減少しています。このままでいくと来年度は3万人の大台を切ると思われます。もはや見逃せない危機的状況に陥って(おちいって)います。早急(さっきゅう)により強力な減少抑止対策と将来展望に立った長期政策が必要でしょう。そこで、男鹿市の人口増に繋がる船越の都市計画案についてご提言申しあげます。

ご存知のように船越は男鹿市の玄関口で男鹿半島の付け根に位置しています。男鹿市の中ではもっとも近隣市町村から人が集まり易い地理的優位性を持っています。また、観光客の大半が行き帰りに船越を通っていきます。今までは男鹿市の中でも唯一人口増加地区でありました。その人口増加の要因として男鹿市内からの転入者が多かったのです。ところが最近は船越を通り越して潟上・秋田方面へ転出する人が多くなりました。市内の人口減少はそういうところにも原因があると考えられます。即ち人口流出の防護壁となっていた船越地区も、もはやその要件を満たしきれなくなっているということになります。それにはどんな所に要因があるのでしょうか。行政サービス、生活環境、住民意識の変化などいろいろな原因があると思いますが、一つ一つ精査すると課題が見えてきます。

まず、船越の人が集まり易い地理的条件をもって、住みやすい魅力的な街にもっと昇華させるべきです。それが男鹿市全体の人口流出を抑え、外からの人口増にも繋がります。その為の思い切った政策、再編整備、都市計画が必要な時ではないでしょうか。それらを具体的に申し上げます。

 

一つは、ジョイフル跡地問題であります。

ジョイフルシティ男鹿が2008年に閉店して、その後店舗は解体され、現在は雑草ぼうぼうの閑散(かんさん)とした空き地となっています。まるで津波にさらわれた様な状態で、街の景観上好ましくありません。ジョイフル跡地については伊徳が出店を予定しているとか、ホテルが立つとか、いろいろな話が聞こえておりましたが未だに動きが見えません。かつてこの場所はショッピングに、娯楽にと市民が集う憩いの場でありました。近隣の市町村からも多くの人が訪れて利用しておりました。こういう空間が無くなったことで市民の居場所が無くなり多くの人が不便をきたしております。それによって買い物、娯楽施設などの選択肢が狭まり人々はより便利な方面へと流れていく状況にあります。ここにも人口減少の要因があるようです。と言うことからジョイフル跡地はこれ以上放ってはおけない男鹿市にとって重要な問題です。市長はこの土地の民間所有者と出店予定等で何か協議をしているのでしょうか。施設規模や内容、遅れている理由等を把握しているのでしょうか。出来るだけ早く問題を解決していただきたいと思います。もし何らかの理由があり民間で躊躇しているのなら、それを解決し、あらたに行政主導で開発をしたらどうでしょうか。第3セクターなり、指定管理者制度なり、やり方はいろいろ考えられると思います。どんどん人口が減少していく中で立ち止まってはいられません。人口増に繋がる再開発をして日常的に便利に楽しく集える交流の場を作るべきです。それが人口定着にも繋がります。

ジョイフル跡地を今後どうように取組んでいかれるのでしょうか。市長の前向きなご返答をお願いします。

次に二つ目は、船越駅北側の整備についてです。

以前に、船越駅周辺整備事業で船越駅前広場の整備と船越駅から払戸踏切までの市道を拡幅(かくふく)整備する道路改良事業が実施され平成21年3月に完了しました。それと合わせて船越駅南北自由通路や北口交通広場の設置、及び、北口交通広場へのアクセス道路の整備などの基本計画が策定されていたと記憶しています。当時いろいろ協議したことを思い出しますが、それがいつしか立ち消えになってしまったようであります。その後この計画はどうなったのでしょうか、調査し再考願えれば有り難いことです。次の説明も加味してその是非と考え方をお聞かせください。

船越駅北側は新興住宅地が広がり子どもが多いところです。地域住民の利便性の向上と安全性の確保は必要不可欠であります。この計画は若美地区からの通勤・通学の利便性をも考慮したものです。まだまだこの地区は開発の余地が残されております。土地の有効活用と市街地整備で人を呼び込めるような魅力的な都市計画を立てていただきたいものです。住みやすく、土地代も安く、安心・安全で、充実した生活環境であれば必然と居住人口は増えてくると思います。男鹿市に住みたいがどうも!?と思っている人も考えが変わるかも知れません。地域状況を見据え緻密な政策を実行すれば人口減少を抑え、増加に転ずることも可能かと思われます。もう一度、人を呼び戻そうではありませんか。市長の建設的なご意見をお願いします。

次に、三つ目は、男鹿総合観光案内所の道の駅化についてであります。

男鹿総合観光案内所の道の駅化、施設の拡充についてはこれまで何度も質問し議論を重ねてきましたが一向に前に進まないでいます。これはもう市長の決断ありきです。市長も耳にタコがいっていると思いますが、もう一度、交流人口の観点から質問いたします。今回は存在意義、必要性等、これまで何度も質問していますので一つ一つは取り上げません。ただ、今まで市長は何度も物産、及び地場産品について年間を通して売るものがないから駄目だという趣旨のことを言っておられますが、他の道の駅を見ますと地元の地場産品だけでやっているところは何処もありません。おそらくそれは何処でも無理でしょうから、いろんな地域の特産品を集めて年間を通して運営されています。それぞれ特徴を持たせながら工夫を凝らしてやっているのです。それがどうして男鹿市では出来ないんでしょうか。男鹿の特産品は何処の道の駅に行っても売っています。それほど知名度があるんです。その知名度を各地の道の駅では利用しているんです。逆に男鹿もどんどん他の物産を取り入れて利用してもいいんです。そして男鹿産の物品を本場男鹿で販売すれば一番の強みになるんではないでしょうか。そこがみそです。お客さんもそれを目指してやって来ると思いますよ。男鹿の玄関口、国道101号輅沿いの利便性、観光客の通り道、人は来やすい所にやってきます。交流人口、そして、購買客をもっと増やすため、是非それらを考慮していただきたい。今では「巨大なまはげ立像」が人気スポットになっていますが、それだけでは勿体ないですね。男鹿の活性化のためにもっと有効に活用すべき場所だと思います。どうですか。一過性のイベントだけではなく、常時人が集まる様な政策を考えましょうよ。

道の駅化、施設の拡充について、今の市長の考え方と今後の方針についてお示しください。

 

次の四つ目は、海岸沿いの津波対策についてであります。

船越地区は高い山が無く平地が広がっています。巨大津波が来ると町並みは一掃され瓦礫(がれき)の山になるでしょう。特に海岸沿いの地域は危険地帯です。迅速に避難しないと即、命の危険にさらされます。前にも一般質問しましたが海岸近くの津波対策が必要です。

船越には5か所の津波時避難場所がありますが、すべて国道101号線から船越駅側です。国道から海岸側の広い範囲には避難場所が一か所もないのです。不安に感じている住民が沢山います。いざという時でも安心・安全に暮らせる環境が必要でしょう。危険と思われる場所には行きたくないのが心情です。誰しも好きで居住しません。この地域にも津波時避難場所が必要と考えます。とは言っても高い建物はないですので、まずは津波避難タワーの設置が望まれるところです。避難誘導路も必要でしょう。地域を調査し、要所に避難タワーを設置し、そこに繋がる避難誘導路を整備することによって安心も確保されます。あとは日頃から地域住民が防災を意識し定期訓練を実施すれば備えは万全でしょう。

それから最も津波対策となり得るのが防潮堤の建設だと思います。広く地域全体をカバーするには最も効果的な方法でしょう。先回、私の一般質問に対して防潮堤は無理だということでした。代わりに海岸沿いの保安林を防災林として活用すべく検討しているとのことでした。はたしてそれで人命は守られるでしょうか。奇跡の一本松の陸前高田市のように辛うじて一本だけが残り、あとは全部流されてしまったという例があります。防災林とて巨大津波の前にはひとたまりもないのです。やはり頑強な防潮堤建設が最良の方法だと思います。海岸の所有者は秋田県ですから県と協議しながら進めていただきたいと思います。もともと船越は災害の少ない所です。津波対策をバッチリすればなお安全になるでしょう。安心・安全なまちづくりが人を呼び寄せます。再度、避難タワーの設置、避難誘導路の整備、防潮堤の建設を要望いたします。地元住民の切なる願いを代弁して申し上げました。

 

それでは、最後に、船越のコンパクトシティ構想をご提案申し上げます。

人口減少、高齢化社会の到来で従来の都市政策では立ち行かなくなりました。コンパクトシティ構想を男鹿市でも取り入れるべきです。地理的条件・町並を考えると最適任地が船越です。都市機能を集中させ少子高齢化社会に対応したまちづくりで人を呼び込みましょう。若者も定住できる魅力ある地域として環境整備しましょう。まだ間に合います。人口減対策の前線基地として男鹿市消滅の危機を回避しましょう。その為の都市計画が必要です。斬新なアイデアで次期男鹿市総合計画に盛り込んでいただきたいと思います。

以上ご提案申しあげました、市長のご理解とご決断を期待いたしまして、第一回目の質問を終わります。

 

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