市長 (佐藤一誠君)  皆様おはようございます。 それでは、 ただいまの船木議員のご質問にお答え申し上げます。

 ご質問の第1点は、 船越防潮水門工事の概要と住民に与える影響についてであります。 まず、 防潮水門工事の計画概要と市で関与する事項についてであります。 この事業は、 国営八郎潟干拓事業により造成された施設である船越防潮水門が、 昭和58年の日本海中部地震の影響により、 著しく機能が低下していることから、 農業生産の維持と農業経営の安定及び国土保全を図ることを目的として、 国営男鹿東部農地防災事業として現在の防潮水門ゲート数9門を14門とし、 現在位置から20メートルほど上流側に新たな水門を築造するものであります。 この事業主体は農林水産省で、 工事期間は平成12年度から平成19年度までで、 総事業費は約180億円と伺っております。

 また、 市の関与する事項につきましては、 工事期間中における仮設物等敷地に対する市有地の貸与、 事業主体と地域住民との連絡調整、 安全確保に万全を期すよう事業主体に要望していくことなどであります。

 次に、 工事期間中の対応についてでありますが、 まず、 漁業者については、 工事期間中も従来どおり利用できるような築造方法であり、 新設の船通しにつきましても漁業者の声を取り入れたより安全な計画になっております。 また、 工事による汚濁水が船越水道に流入しないように工事用地の中に沈澱池を設ける計画になっております。 一般車両につきましては、 通り抜けができなくなる市道八郎湖岸線を含め、 案内標識、 安全施設などとともに、 地域住民及び関係者に事前に工事情報を伝達するなど、 地域住民の方々にご迷惑をかけることなく工事を進めるよう事業主体に働きかけてまいりたいと存じます。

 また、 工事資材置場や作業事務所の設営に要する用地につきましては、 隣接する市有地の一部や周辺の農地等を借り上げ対応する計画となっておりますが、 市有地の借り上げの予定地にはゲートボール場があることから、 代替施設の位置、 内容につきましても利用者の方々にご不便をかけないよう調整してまいりたいと存じます。

 次に、 説明会時の住民要望等についてでありますが、 工事期間中は、 地域住民の生活に不安を与えないよう種々の安全対策には万全を期すること。 工事用車両の通行時間帯、 交通量などの工事行程について事前に周知させること。 通行止めなどの案内標識については、 Uターンすることのないように適切に配置すること。 資材運搬道路については、 一般車両に危険を与えないよう狭隘部は拡幅すること。 特に、 市道船越・払戸線の土水路は蓋付側溝にして歩行者のスペースを確保してほしい。 支障となる記念樹の桜については移植してほしい。 代替えのゲートボール場には仮設トイレ、 休憩所を設けてほしいなどの要望がありました。

 これらの要望事項につきましては、 市から強力に事業主体に働きかけた結果、 ほぼ要望どおりとなる予定でありますが、 今後も地域住民の生活に不便を来さないよう努めてまいりたいと存じます。

 次に、 工事請負業者については、 地元企業で対応できる工事につきましては、 地元企業に発注する意向と伺っております。 また、 大手企業でなければ対応できない工事につきましても、 極力、 地元企業が協力できる体制となりますよう東北農政局などに働きかけてまいる所存であります。

 ご質問の第2点は、 来年度予算の編成方針についてであります。 まず、 予算編成の基本方針についてでありますが、 最初に、 国及び地方を取り巻く財政状況について申し上げたいと存じます。

 国の財政は、 これまで景気回復のための財政出動を続けてきた結果、 国債費が増加し、 一段と厳しさを増している中で、 今後の財政運営については、 官需から民需へのバトンタッチを円滑に行い、 景気を本格的な回復軌道に乗せるよう引き続き全力を挙げるとともに、 財政の効率化、 質的改善に取り組む方針であると承っております。

 一方、 地方財政においても、 地方税収入の低迷等により財源不足が生ずるとともに、 地方債残高が急増しており、 極めて厳しい状況にあります。

 このような状況の中で、 本市財政は依然として自主財源に乏しく、 財源の多くを、 地方交付税を主とする依存財源に頼らざるを得ない実情であり、 新世紀における 「誇りと豊かさを実感できる観光文化都市」 づくりを進めていくためには、 財源の確保に全力を傾注するとともに、 中・長期的な展望に立ち、 これまで以上に適切かつ効率的な行財政運営を図り、 財政の健全化に努めていくことを基本とするものであります。

 このため、 今後の経済動向や国の地方財政対策、 特に、 地方交付税の動向を見極めながら、 歳入面においては、 市税等の収入を的確に把握し、 その確保に努めるとともに、 歳出面においては、 事務事業の徹底した見直しを行い、 経費全般にわたる節減合理化を図り、 財源の重点的かつ効率的な配分に努めてまいる考えであります。

 このような基本方針を踏まえながら、 平成13年度当初予算は、 市長選挙がありますので、 義務的経費、 継続事業を中心とした骨格予算とする考えであり、 新規の施策・事業は補正予算で措置すべきものと存じております。 このため、 当初予算に措置する継続事業の主なものとしては、 北陽小学校新築事業、 広域関連農道整備事業、 漁港関連事業、 道路補修工事、 松くい虫防除事業、 観光・商工及び福祉関係費などを考えております。

 次に、 経常収支比率を引き下げる対策についてでありますが、 平成11年度の経常収支比率は86.6パーセントと前年度より1.3ポイント下がり、 財政がやや好転した内容となっております。 この要因は、 歳入では普通交付税が伸びたことと、 また、 歳出では行政改革の推進による人件費の縮減、 市債の繰上償還による公債費の抑制など、 経常経費の節減を図ったことによるものと認識しております。 しかし、 ご指摘のとおり、 経常収支比率は類似都市と比べて高く、 今後も物件費、 負担金、 繰出金等の経常経費が増加傾向にあり、 財政構造は依然として硬直化傾向にあるものと存じております。 一方、 歳入については、 今日の経済情勢等から市税や地方交付税等の経常一般財源の伸びは期待できない状況にあります。 このため、 今後とも市税などの歳入の確保に努めるとともに、 国・県に対し、 地方財政対策の充実の強化を強力に働きかけるほか、 事務事業の徹底した見直しと職員の定員管理の適正化や市債の繰上償還を行うなど、 行政改革の着実な推進により経常経費の一層の節減を図ってまいります。

 また、 限られた財源をこれまで以上に創意工夫し、 市民の多様な要望にこたえながら総合発展計画の諸施策事業を着実に実施することにより、 市勢の発展を図ってまいる所存であります。

 ご質問の第3点は、 出張所の統廃合についてであります。

 このことにつきましては、 平成10年11月策定いたしました第3次男鹿市行政改革大綱に、 「時代に即応した組織の再編整備に努めることを目的に、 出張所における業務内容や取扱い件数、 さらに昨今における道路・交通事情などを考慮し、 現在の7出張所を13年度以降、 北部、 東部の2出張所とすることについて検討する」 と位置づけしたものであります。

 このことから、 庁内において、 統廃合した場合の地域住民への影響及びサービスの低下を来さないための代替措置、 また、 継続される公民館のあり方などについて調査、 検討しているところであります。 統廃合にあたっては、 地域住民の理解が不可欠であることは十分認識いたしておりますので、 今後、 この検討結果を踏まえ、 議会をはじめ住民の皆様とも十分協議をしてまいる考えであります。

 ご質問の第4点は、 ITの促進と地域インターネット導入促進事業についてであります。

 ご承知のように国では、 全国で約550万人の成人を対象にIT基礎技能講習を推進するため、 「IT講習推進特例交付金事業」 の実施を決定しております。 これを受けまして秋田県では、 約6億6,700万円の基金を創設し、 IT講習会を全県に展開する予定となっております。 現在、 市町村では、 事業計画の策定中でありますが、 予定といたしましては、 平成13年4月から男鹿東中学校と男鹿南中学校を会場に、 また、 9月以降は男鹿北中学校の施設整備ができ次第、 それぞれ1事業当たり20人、 12時間をめどにして講習会を開催してまいりたいと存じます。

 また、 各公民館等に配備したパソコンにつきましては、 各種行政情報の収集と発信、 あるいは電子メールを活用して直接的に問い合わせや相談ができることを主な目的としており、 市民が利用することも重要なポイントのひとつとなっております。 残念ながら、 これまでのところ十分な活用はなされていないようでありますが、 今後、 講習会を実施するなど、 意識の高揚を図りながら利用の促進に努めてまいりたいと存じます。

 ご質問の第5点は、 サテライト男鹿の現況と収益金の地元還元についてであります。 まず、 サテライト男鹿の現況でありますが、 ご承知のように、 場外車券売場サテライト男鹿は、 平成10年7月18日オープンしたもので、 地元雇用や売上額の1パーセントの市への交付のほか、 年1回のイベント開催など地元に対し、 それなりに寄与しているものと考えております。 お尋ねの周辺地域への影響については、 設置者であります船越観光株式会社からの情報や船越地区各町内会長との意見交換会、 暴力対策等連絡協議会を開催し、 状況報告や意見、 要望をお聞きし、 できるものについては適宜対応しているもので、 これまで警察の出動もなく、 また、 住民とのトラブルもなかったと伺っております。 また、 交通渋滞解消のため、 交通整理員、 誘導員を配置し、 スムーズな車の流れ、 事故防止に努めており、 地元への影響はないものと認識しておりますが、 実際に交通渋滞などによる地元への影響があるとすれば、 設置者にその改善について要請してまいりたいと存じます。

 次に、 交付金の地元還元についてでありますが、 この交付金については、 本市の貴重な一般財源として活用しているものでありますので、 ご理解賜りたいと存じます。

 ご質問の第6点は、 自殺防止対策についてであります。

 これまで、 自殺は個人の問題としてとらえられてきたことから、 第三者が立ち入ることはタブー視されてきたところもあり、 ご遺族や友人などの心情を考えますと、 行政として真正面から取り上げづらいことでありました。 しかし、 近年の自殺数の増加を見ますと、 決して見過ごすことはできない事態となってきており、 機会を見ては命の尊さを訴え、 可能な限り自殺者を出さないよう取り組んでいかなければならないと考えております。 自殺する人の中には、 生きたいという願望がありながらも自殺に臨む人がおります。 この場合、 何らかの前兆や発信を送ることが多いと言われており、 この時点をとらえてしっかり話を聞いてやることや、 死ぬこと以外の点で共感できるところは共感してやる人がいれば、 ある程度防止できるのではないかと言われております。

 しかし、 自殺防止対策については、 残念ながら、 現段階では決定策があるとはいえない状況でありますが、 いずれにいたしましても、 地域社会全体で認識していくことが大事ではないかと思います。 このことから、 本人や家族の悩みなどを的確にフォローするため、 保健、 医療、 福祉に携わる方々など、 多方面からの理解と協力を得ながら、 各種相談及び啓発活動の充実を図り、 自殺防止に取り組んでまいりたいと存じます。 以上でございます。

再質問と答弁へ

ホームへ