平成13年12月定例会一般質問教育長答弁
[質
問 者] 船木正博議員
[質問要旨]
1 教育問題について
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完全学校週5日制への対応は平成14年度から完全学校週5日制がスタートする。社会全体に週休2日制が浸透し、その中で子どもたちに新しい学びの機会を与えようというねらいがあったように思うが、現実に目を向けると、土日が休日でない保護者も多く、家庭や地域に子どもを戻されても、対応できない環境にある保護者もいる。また、地域の受入態勢は、整っているのだろうか。既に教育の先進地では、こうした子どもたちのために週5日制導入後の受け皿として多くのメニューを示し、子どもたちに自由に選択させるシステムを構築したところもあるようだ。本市で準備されているメニューと今後の方策があったら示してほしい。
教育委員会の所管に関わるご質問にお答えいたします。
はじめに、完全学校週5日制への対応についてであります。
平成4年にこの制度が始まったころから、土曜日の過ごし方については、定期的に調査し、その結果を踏まえて、これまでの指導に生かすよう努めておるところでありますが、今年10月に実施した第2、第4土曜日の過ごし方の調査によりますと、計画していたことがあって、ほぼその通りに取り組めたという子供が、54.4%、計画していたがその通りにはいかなかったが、9.6%、計画していたことはとくになかったが、36%という調査結果がでております。
これからの、土・日の過ごし方は、自分にあったことを好きな場所で過ごすという方向が望ましいと思います。
教育委員会としても、公民館を中心とした諸活動や親子レクリェーション大会等の実施、スポ少活動の充実を図る等、公民館施設を優先的に開放しながら、校外活動の充実を図り子供たちの選択幅を広げていきたいと考えております。
また、本年度から社会教育法の改正とあいまって家庭教育の向上を図るため教育委員会が自ら体験活動の機会を提供する事業を実施することが求められていることから、さらに地域や公民館と連携を図り家庭教育講座の一層の充実やメニューの拡大を図ってまいる所存であります。
完全学校週5日制は、子供に、家庭や地域社会での豊富な生活体験・社会体験・自然体験の機会を与えようとするものでありますので、今後も、親や地域社会と十分連携を図りながら、子供の健やかな成長のために努めたいと思っておるところであります。
平成13年12月定例会一般質問教育長答弁
[質
問 者] 船木正博議員
[質問要旨]
1 教育問題について
A
学力低下について
来年から実施される新学習指導要領では、算数、数学の時間が減り、内容も3割削減される。授業時間数の削減、授業内容の削減が子どもたちの学力を確実に低下させると思われる。新学習指導要領の導入の前に、すでに児童生徒の基礎学力の実態把握や副読本の作成による学力低下への対策に乗り出した自治体もあると聞いている。男鹿市においても、来年度からの教育課程の改訂を前に、市独自の実力判定テストの実施や各教科の学力アップに取り組むなど、これまでの取組みの評価と課題を整理すべきと考えるがいかがか。教育委員会の見解を示してほしい。
次に、学力低下についてであります。
平成14年度からは、授業時数が1割削減され、それに伴い学習内容も3割削減されることが決定いたしております。
本市におきましては、市当局のご理解により、これに対応するため平成8年度より、学力向上推進事業を実施してまいりました。
初年度は推進の体制づくりと方向の確認、翌年は、本市の学力の実態把握、それを踏まえて「学習指導の手引き」を市内の全教員に配布し、また、男鹿北中とその学区の4小学校を対象に、3年間にわたる小・中学校の連携による「学力向上の在り方の研究」を指定・委嘱いたしました。
平成10年度には、「学習指導の手引き」を活用し、各校で「楽しく分かる授業」に取組み、その結果を実践事例集としてまとめ、全教員に配布しております。
この実践事例集には、授業改善に取り組んだ各校の事例が収められており、県内の学校や教育委員会からも問い合わせがあり、参考になったとの声が寄せられ、その後、県内でも「学力向上」に取り組むところが多くなってまいりました。
教育課程の改定の前に、市独自の実力判定テストの実施や各教科の学力アップに取り組むと共に、これまでの評価と課題の整理に当たるべきとのご指摘でございますが、まさにそのとおりであります。
昨年度は、小・中学校すべてで、市独自の「学習状況調査」を行っております。
これは、小学校では、国語、社会、算数、理科の4教科、中学校ではこれに英語を加えた5教科のテストを実施したものであります。
この調査の分析で、各教科における指導の重点や配慮すべき内容が明らかにされると共に、今年度は、その結果を、日常の指導に生かし、各校の課題の解決に取り組んでおるところであります。
また、新学習指導要領では、算数・数学の時間および授業内容の削減があり、学力低下が懸念されるとのことでありますが、文部科学省では、これからの学力を「習得した知識に基づき、自ら考え、問題を解決する能力」であると定義づけし、「学習する意欲の醸成を視野にいれながら、基礎・基本は確実に習得した上で、それを様々な場面で実際に活かしていく力」であるとしております。
また、新学習指導要領は、
全国的に共通に教えることが必要な最小限度の教育内容の基準であり、教える内容を、基礎・基本に厳選し、すべての子どもに、確実に身に付けさせようとしております。
この趣旨を踏まえ、本市では各小・中学校で、特に算数・数学の基礎・基本の徹底を図るため、校長以下全教員総出で取り組んでおり、その成果が待たれるところであります。
来年1月には、小・中学校で学力テストを実施し、これまでの取組みの評価を予定いたしております。
これまでは「知識の量」で学力を推し量っておりましたが、これからは、身に付けたことを活かして、日常の事象を処理したり、新しいものを創造したりすることが求められております。
来年度から施行される、完全学校週5日制における土・日の過ごし方や「総合的な学習の時間」の進め方などで、学校には、これまでとは違った対応が、求められてくるものと思います。
なお、これまで本市が進めてまいりました学校統合は、このようなことを見越してきたものであり、適正な規模の中で競い合い、協調しながらすべての子供に、基礎・基本の徹底を図るため、習熟度別学習の導入や選択履修幅の拡大など、これまでの学習集団を様々な形態で指導し、子どもたちの学力が向上するように努めてきたところであります。
今後とも、子供たちに学ぶ喜びを感じさせたり、深い内容や考え方を身に付けさせるため、教員の力量を高めて参りたいと存じます。