12月一般質問

 第一点目、船越防潮水門工事の概要と住民に与える影響について

 第二点目、来年度予算の編成方針について

 弟三点目、出張所の統廃合について

 第四点目、ITの促進と、地域インターネット導入促進事業について

 第五点目、サテライト男鹿の現況と収益金の地元還元について

 第六点目、自殺の防止対策について

 

 おはようございます。船木正博でございます。

 昨年の初当選以来3度目となる一般質問に登壇できますことを議員各位、そして、何よりも私を支えて下さる多くの皆様に、まずもって感謝申し上げます。今日は多数の傍聴席の皆様を前にして、心地よい興奮と緊張感を覚えております。これより本日のトップバッターを相務めますのでよろしくご拝聴のほどお願い申し上げます。

 時代は歴史の節目であるミレニアムを経て、今まさに21世紀の扉が開かれようとしております。振り返ってみますと20世紀は戦争の世紀といわれ、人類は過去2回の世界大戦を経験し、その後、長く続いた冷戦も終結しましたが、それに代わるかのように地域紛争が勃発し、戦火は未だ各地で燻り続けています。悲惨な犠牲者も後を絶ちません。

 また、世界では8億人もの人が飢餓状態にあり、1日1ドル以下で生活する貧困に苦しむ人々は12億を数えます。地球規模での環境破壊も深刻さを増しております。

 しかし、東西、両ドイツの統合、最近の国際協調による国際宇宙ステーションの組み立て、そして、韓国と北朝鮮の対話が進んできたことは新世紀に向けての明るい兆しと言えましょう。

 国内では12月5日に、第2次森改造内閣が発足し、来年1月の中央省庁再編に向けた布陣となっていますが、相変わらず政局は混迷を深め、少年犯罪が多発するとともに、悲惨な子供への虐待殺人が後を絶ちません。経済もまたままになりません。

 本市においては苦しい財政事情の中、総合発展計画・後期基本計画が本年度からスタートし、向こう5年間実施されますが各施策を着実に実行し、新世紀の礎とならんことを願うものであります。

 内外共に良き面、悪しき面、両面で多事多難であった20世紀もあと余すところ24日で終わりを遂げ、新しい21世紀の扉が開かれようとしているこの時期に、12月議会での一般質問を行うことに身の引き締まる思いがいたします。

 それでは前に通告いたしております6件について質問申し上げますので市長の誠意あるご答弁をお願いします。

 

 まず第一点目は、船越防潮水門工事の概要と住民に与える影響についてであります。

 国の公共事業として防潮水門の建て替え工事が平成12年度から19年度にかけて実施される計画ですが、国の事業といえど自冶体としても当然係わりをもつことになりますのでそれに対する市の対応についてお尋ねいたします。

 まず始めに、防潮水門工事の完成までの工事計画概要と男鹿市で関与する事項がございましたらをお知らせ下さい。

 次に、7年間の長期に渡る工事期間中の住民への影響、とりわけ周辺操業漁業者に与える影響は大きいと思われます。また、工事車両の通行や現場付近の道路事情、資材置き場確保による代替地など、交通面、環境面などへさまざまな影響が出てくるものと考えられます。それらについて市長はどのように把握し対処していかれるのかお聞かせ下さい。

 さらに、過去2回にわたって住民への説明会が持たれたと言うことですが、その席上で話し合われた住民からの要望、問題点、市当局の説明要旨等についての内容を合わせてご説明願います。

 最後に、工事主体は中央の大手企業だと聞いていますが、その下請け企業は出来るだけ地元企業を採用するように市当局からも関係諸機関に強く働きかけをしていただきたいと思います。その点は如何お考えでしょうか。

 

 次に第二点目は、来年度予算の編成方針について

 新年度予算編成について今準備作業中と思いますが、来年は市長改選期にあたるので3月当初予算はおそらく骨格予算編成になると思いますが、その編成にあたっての基本的な考え方と、予算総額の見込みと主なる項目ごとの内容を今の段階でお聞かせ願います。

 合わせて健全な財政を堅持するためには避けて通ることの出来ない経常収支比率を基準並に引き下げる事が緊急な課題になろうと考えます。11年度の決算審査意見書によると、年々上昇を続けてきた経常収支比率は86.6%と前年度より1.3ポイント下回っているが、その要因の多くは普通交付税が前年度より10.6%と大幅に伸びたことによるもので、財政構造上は依然として硬直化の傾向にあり、今後とも慎重かつ効率的な財政運営が望まれるとされています。

 その為の年次計画についての対策をお聞かせ下さい。

 

 次に、第三点目は、出張所の統廃合について

 出張所の統廃合が予定されているようですが、一言申し述べさせていただきます。

 本市の急速な少子・高齢化や人口減少などの現状を考えますと行政機関の再構築は必要であり、効率的な行財政運営のためにも避けて通れないことではありますが、そのさい、市民サービスの低下を招かぬように充分に吟味し、住民のコンセンサスを得ながら慎重に事を進めなければならないと思います。

 それには、人口動態を見極めながら、場所的問題、利用状況、利便性、住民感情、地域事情、過疎化の問題、廃止された出張所の利用方法など、その他、多くの条件をクリアーしなければならないと考えられます。

 また、住民側にも地域エゴは棄てて妥協点を見いだし、公正な尺度で判断する度量が必要になってきます。市民としての責務と自覚を持ち、議論を重ねることで必ずや良い方向性が見いだせるものと確信しております。

 私は男鹿市の未来を考えるとき市民と行政とが共に手を携え、邁進する姿が理想だと常々考えておりますので、全体が納得した形で決着することを願うものであります。

 市長はこの問題をどのような考えのもとで進めていこうとしているのかお聞かせ願います。 併せて、時期や場所など現時点での構想をお知らせ下さい。     

 

 次に第四点目は、ITの促進と、地域インターネット導入促進事業について

 毎日のようにITという言葉や文字が社会に氾濫している今、「すべての国民がITの成果を享受できる社会の実現」を基本にうたったIT基本法が国会に提出され先月の29日に成立し、来年1月から施行されます。

 現状では、「デジタルディバイド」、いわゆる情報格差といいますが、ITを活用する人と、そうでない人のデジタルディバイドは広がる一方でありまして、IT利用機会の拡充や活用能力の格差是正がこれからの大きな課題となっています。例えば、その基本となるインターネットやパソコン操作の習得に向けた講習会への受講者には助成金が支給されるということです。

 そこで、本市のITへのアプローチはどうなっているのでしょうか。

 また、地域インターネット導入促進事業により各公民館に配備されたパソコンの利用状況についてお伺いしますが、公民館に設置した端末は、市民に使用させることを目的に設置されていると思いますが、現在どのような形で利用されて有効活用されているのかご説明願います。

 

 次に第五点目は、サテライト男鹿の現況と収益金の地元還元について

 サテライト男鹿開業以来、地域環境に変化が見られるようになり、その影響と問題点を洗い出してみました。

 まず第一に交通量の増加です。競輪開催日、とくに試合終了後の時間帯は車が一斉に飛び出し、道路にあふれます。普段ほとんど車の通らない狭い裏小路にまで進入し数珠つなぎになります。付近の住民にとっては危険極まりない状態です。

 つぎに、一時的に人口流入しているものの地域への恩恵はあるのでしょうか。サテライトの中には人が溢れていても、その客たちが外で買い物したり、食事をしたり、周辺商店街の活性化につながっているのでしょうか。付近住民にどれだけの利益をもたらしているのかは疑問です。

 そして、風説の流布の問題です。「何処の誰が何百万円当てたとか、ガードマンの護衛付きで家に帰った。あの人は仕事もしないで入り浸っている」、などの噂話をよく耳にするようになりました。無責任な噂は噂を呼び、疑心暗鬼が人間関係を損なう場合も無きにしも非ずです。

 以上のように地元にとってはメリットより、むしろデメリットの方が大きいような気がします。

 しかしながら、男鹿市全体の観点からすると競輪収益金の1%の上納金は魅力であり、本市の苦しい財政運営に役立っております。また、雇用面でも大きく貢献するとともに、地域の娯楽場の一つとなっています。心配された青少年への悪影響や風紀の乱れ、目立った事件もないようです。総体的に言えることは市の財政面、雇用面にはプラスとなり望ましいことではありますが、直接影響を受ける地元への貢献度は今ひとつ弱く、環境面の整備や援助が望まれるところです。

 サテライト男鹿開業以来、地域にどのような影響が出てきたのか市当局で調査した事があるのでしょうか。そして、それらの諸問題になんらかの対策をお取りになったのでしょうかお聞かせ下さい。

 また、競輪収益金の地元に対する還元金についてお伺いします。

 サテライト男鹿設立開業に際して地元関係町内では設立賛否両論の中、地元の振興を願って説得に奔走し、開業にこぎ着けた経緯が御座います。地元の発展を目的に運動したことと、その時の各町内の労を考え合わせますと、地元への収益金の一部還元は当然なことと考えます。よって、市に対しての上納金の一部を地元船越地区を重点的にした使途を考えて戴きたい。この事は住民から重ねて要望が出ているはずです。私も直接影響を受ける地元への配慮が必要だと考えておりますので、これを強く要望するものであります。

 

 次に第六点目は、自殺の防止対策について

 警察庁のまとめによると昨年1年間の全国の自殺者は33,048人で過去最悪を記録しました。年齢別では40歳以上の中高年が全体の4分の3を占めています。秋田県の自殺者は514人で前年を42人上回り同じく過去最悪となりました。これを人口10万人当たりで計算した自殺率にすると秋田県は全国一となります。昨年の交通事故による死亡者が102人ですので実に交通事故死のおよそ5倍となる数字です。しかも5年連続のワースト一位となる極めて深刻な事態であります。

 男鹿市の場合は平成10年で見てみると、自殺者が12人、自殺率でいうと38.5となり、県内69市町村の中で38番目、9市の中では4番目でほぼ中央に位置しています。全国平均の自殺率が25.0ですのでやはりかなり高い数値です。

 年齢別では65歳以上の高齢者と、40歳、50歳代の働き盛りの多さが目立ち、その原因としては健康問題が最も多く、次いで生活・経済問題が上げられます。これらは病苦によるものと、長引く不況を背景に中高年層が命を絶つケースが多いということです。

 自殺は誰しもがあまり触れたくない問題ですが無関心ではいられない社会問題です。自殺の背景には社会的、個人的要因が交錯しており動機もさまざまですが、80%以上は何らかの前兆があると言われていますので、適切に察知すれば予防も可能なことなのです。また、自殺は医療問題でもあり「うつ病」などの心の病を抱えていることが多く、医師の適切な処置によって危機から脱出することもできます。

 しかし、自殺にはいろいろな要素が絡み一筋縄ではいかないことから、粘り強く啓発運動を進め、迷える人に呼びかけていくことが必要だと考えます。また、心のケアーやカウンセリングを地域ぐるみで取り組むことも必要です。多くの住民が行政と一体となり自殺の予防に関心を高め、適切な対策を立て取り組んでいかなければならないことだと考えています。男鹿は急速に高齢化が進んでいる地域で御座いますので、高齢者の自殺率が高いことを考えると、自殺者は今後も増加する可能性があると言えます。

 また、一人暮らしの老人より家族と同居しているお年寄りの自殺者が多いと言います。これは家族の中に囲まれていながら孤立し、孤独に陥って最後には死を選択してしまうと言う何とも哀れな結末です。自ら命を絶つことは本人にとっても悲惨なことですが、自殺した本人のみならず家族にとっても大きな悲しみであり、深い心の傷を負い、将来に渡って悔いを残します。

 私はこの様な状況を憂い、いくらかでも死を選ぼうとしている人への呼びかけになることを願って今回一般質問しました。自殺の周辺には未遂者が10倍いるとも言われています。人の心の中は見ることが出来なく自殺予防は非常に困難なことですが、我々みんなが周囲に関心を持ち啓発し、訴えていくことで必ずや防止につながることと信じています。

 自殺問題は人間の命の重さと尊厳にかかわる重大な問題です。県はやっと重い腰を上げ本年度から当初予算に自殺防止対策費を計上し、「自殺予防に関する啓発事業」と「自殺予防調査研究事業」をスタートさせました。本市でも地域の事情に見合った施策を考えるべき時と思います。

 自殺問題についての市長の御所見をお伺いします。

以上で第一回目の質問を終わります。

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