平成25年6月定例会 一般質問 船木正博
2013,6,17(月)
皆さん、こんにちは。心政会の船木正博でございます。一般質問はおよそ3年半ぶりです。再びこの場に登壇できることに感謝いたしております。
私は議会人として気持ちを引き締め課せられた諸問題に果敢に取り組んでまいります。今から未来へ、住みよいまちづくりのため、市民の皆様の負託にこたえ誠心誠意ベストを尽くしてまいります。そういう観点から質問させていただきます。
それでは通告しております3件について順次質問してまいりますので、市長の明確なご答弁をよろしくお願いいたします。
まず、第一点目は「空き家対策について」についてであります。
私はこの度、男鹿市のほぼ全域を数ヶ月かけて歩いてまいりました。いろんな事を見聞し、現状を見て回りましたが、そこで目に付いたのが空き家の多さです。崩れかけて原形を留めない廃屋となったもの、トタンが剥がれ落ち周囲に飛散し近所の迷惑となっているもの、実際に周囲に被害を与えている物件もありました。また、荒廃は進んでいないものの、近い将来、近隣に迷惑がかかると思われる空き家など形態はさまざまです。これらの弊害としていろんなことが考えられます。危険な子供の遊び場、野良猫や害虫、害獣等の館、雑草の繁茂、電気系等の自然発火や放火を含む火災発生、犯罪の温床、ゴミの不法投棄など、環境・衛生、防災・防犯上、非常に好ましくありません。
しいては安全・安心なまちづくりの妨げになります。
これまでも空き家の多さや弊害は自分なりに認識し実感しておりましたが、今回、つぶさに実態を見て周り、現実を体験し、改めてその重要性を認識しました。少子高齢化、都市部の空洞化、農村山間部の過疎化など、人口減少が進む時代の中で、空き家対策は今後ますます重要な社会問題となってくるでしょう。
5年に1回行われる総務省の「住宅・土地統計調査」によると、日本全国の空き家数は年々増加を続けており、平成20年の空き家数は757万戸で13.1%に達し、現状のまま推移すれば平成40年には空き家率は23.7%に上昇するとの予測がなされています。男鹿市もそのような傾向にあると思いますが、実際の所もっと数値は高くなるのではないでしょうか。
そこで市民生活の環境保全、安全・安心のまちづくりを願って市長にお尋ねいたします。
・市内の空き家の実態を調査し把握しているのでしょうか、
・その現状はどうなっているのか調査結果、市民の苦情や相談内容、件数などの数値を含めてお知らせください。
・そして、その現状への対応はどうするのか、特に緊急を要するような空き家の早期の対応策と処置方法はについてどのように考えているかお知らせ願います。
・さらに、予測に基づいた今後の方針をお示し願いたいと思います。
次に、「男鹿市空き家等の適正な管理に関する条例」の適切な運用方法についてお聞きします。
空き家問題が難しい点は、所有者の私有財産であるため、近隣には迷惑状態になっていても第三者が勝手に解体や撤去などの処分ができないところにあります。このことが大きなネックとなり、問題がなかなか解決しないところにあるでしょう。かといって手を拱いてはいられません。適切且つ迅速な対応策が求められています。廃屋になる前の空き家対策も大切でしょう。そこでお伺いいたします。
・この条例の広報活動はどのようになされているのでしょうか
・特に所有者への周知徹底はなされているのでしょうか
・これまで所有者からの問い合わせや近隣からの苦情等でその処理を実施した例はあったのでしょうか
・また、今後の動向をどのように捉えているのでしょうかお知らせください。
・なお、所有者の死亡、行方不明、相続放棄などの対応困難な当事者への対処方法はどうあるべきかの考え方をお示しください。
以上、空き家対策についてお尋ねいたします。適切なご答弁をよろしくお願いいたします。
次に、質問の第2点目は「男鹿海産物養殖業の検討について」であります。
まず最初に、漁業振興策についてお聞きします。
男鹿市総合計画後期基本計画の水産業の現状と課題を要約しますと、「海面・内水面ともに漁獲量が減少しており、低迷を続けている。漁業経営は、魚価の伸び悩みや人件費の高騰などにより一層厳しくなっており、これが漁業従事者の減少要因にもなっている。こうしたことから、資源の回復・増大を図るため、中高級魚等の種苗放流及び増養殖による資源の回復に努めるなど、県水産振興センターと連携を図りながら、栽培漁業や資源管理型漁業を強力に推進するとともに、漁場や漁港施設の整備を図る必要がある。また、加工品の開発を促進するとともに、流通販売の強化が必要となっている。本市の漁業は、後継者の確保・育成が大きな課題となっている。」となっており、厳しい現状や課題が述べられています。
そして、基本施策として、
1、つくり育てる漁業の推進
2、漁業生産基盤の計画的整備、の大きく2項目が掲げられていますが、その主な事業の達成状況、実績はどうなっているのでしょうかお伺いします。
また、今後の見通し事業展開はどうなっているのでしょうか、事業廃止や新規事業等の予定がありましたらお知らせ願います。
さらに、前述した水産業の現状と課題を踏まえ、将来を見据えてどのような漁業振興策を持っているのでしょうか、構想がありましたらお聞かせください。
それでは、男鹿海産物養殖業の検討について、ご提案申しあげます。
男鹿水産業発展のためにも取り上げていただければありがたいと思います。
先頃、男鹿の磯に育つ貝類とその事業状況について調査してみました。
その中で「イガイ」の資源減少が際立っており、現在1箱1万円以上と、かなり高額になっている事が分かりました。
以前、門前地区などでは浅場でも豊富に採れた貝ですが、今は深い所まで採り進んでおり、貝自体の再生とのバランスの崩れが原因であると考えられます。
例えば、事例として岩手県の取組みですが、外来種である「ムラサキイガイ」では、その繁殖力の旺盛な性質上、養殖技術は確立されており、今後の展望として、以前から日本国内では食材としては注目されていなかった種ながら、案外美味であり世界各地では旺盛に食されている実情からも、国内外への出荷事業化が検討されています。
一方、先に述べました男鹿沿岸地区で減少の一途を辿る在来種の「イガイ」ですが、古来より食材として愛されてきたこの貝の養殖技術確立による展望に立ち、正面から事業として取組むべき価値を検証すべきと考える次第です。
養殖による安定供給を実現できれば、周辺沿岸地域で一般化しているカキやアワビとの差別化を含め、漁業者はもとより男鹿市の振興全体への波及効果として、それ以上の営利獲得効果追求も可能と分析しております。
現在「イガイ」に関する養殖想定では、研究開発すべき課題が存在するようですが、世の成功事例を診るにつけて、様々在る難題を超えその技術的な特許獲得をも目標に置き、より営利性の高い事業化へと、気概を以って目指す姿勢こそ、現在の男鹿の経済振興には必要不可欠であると考えます。
6次産業化への進展により高い営利性獲得を目指し、この事業に関連した要点をシステム的に連携体系化し、取り組んでいくべきと考えますが如何でしょうか。
市長の今後の漁業振興に関して、見解をお伺いいたします。
次に、質問の第3点目は、「男鹿総合観光案内所について」であります。
初めに、観光の重要性について述べさせていただきます。
今、市民が市政に一番望んでいることは何でしょうか。市民と同じ目線になって考えると、それは『男鹿市の活性化』ではないでしょうか。
そして、『活性化の具体策』として、どんなことが考えられるでしょうか。私は、やはり『観光』が大きなキーワードだと考えます。理由は、男鹿市には数多くの観光資源が存在するからです。
具体的に上げると、なまはげ伝説から神社、伝承館や太鼓、ジオパーク、温泉施設、ホテルや民宿、水族館GAO、海水浴場、キャンプ場、西海岸の海岸美、石焼鍋、しょっつる焼きそば、しょっつるラーメン、ハタハタ丼、鯛めし、男鹿梨、若美メロン、ババヘラ発祥の地など数え切れないほどです。
しかし、豊富な観光資源が点在しているため、県内外からの観光客には利用しづらい状況があると考えます。
渡部市長も『観光』を市政の重要ポイントと考え、とても意欲的にリーダーシップを発揮されています。
今年度は、観光に深く関わる海フェスタやディスティネーションキャンペーンも実施されます。県内外から多く観光客が予想される今がチャンスと考えます。点在する豊富な観光資源を集約し、観光客や市民も利用しやすい施設の実現が望まれるところです。
その施設として「男鹿総合観光案内所」を有効利用し、道の駅への拡大を考えてみては如何でしょうか。観光案内所の利用者が増えると、男鹿半島の各種観光施設の利用者の増加も期待できます。
そこで、オープン6年目の観光案内所の現状を把握するために、利用者が多いと思われる日曜日の昼に行ってみたところ、観光案内所施設内は閑散としており、もっと人が立ち寄る魅力的な場所へと展開する必要があると感じました。
但し、唯一賑わっていたのが野外の「なまはげモニュメント」周辺で、芝生の上に人が溢れておりました。ここを撮影目当てに立ち寄る観光客が多く人気スポットとなっているようです。ここが最大の売りかなと考え、撮影場所として整備する必要があると強く感じました。
そこで、利用者の安全面を考え、早急に対応すべき点を申し上げます。
安全の視点から、モニュメント像と車道の境界線に景観に配慮した防護柵を設置する。
特に車両出入り口部分は車との接触事故発生の可能性が大きく早めの対処が望まれる。
また、バリアフリーの視点から、障害を抱えた人や高齢者の目線で、今現在の芝生から歩きやすいスロープを設置することを提言します。
さらに、防災の視点から、避難用の施設を整備する必要があると考えます。現地に予想される津波の高さは2.5mということで、それ以上の建築物が必要なのではないしょうか。
また、震災発生時の観光客や地域住民の避難場所、防災拠点としての位置づけも必要と考えられます。
それでは、市長から以下の4点についてご答弁をお願いします。
@モニュメント像を撮影する際の安全面の確保
Aバリアフリーの確保
B津波対策の視点から防災拠点としての整備
C施設の拡充と道の駅への構想
以上です。
私は、初当選した平成11年の最初の一般質問で、『総合観光案内所の設置について提案』いたしました。
当初から関わってきた者として、『男鹿市の活性化』を思いながら発言いたしましたのでよろしくご理解賜りたいと存じます。
以上で一回目の質問を終わります。
市長の明快なるご答弁よろしくお願いいたします。