平成21年12月議会 一般質問 船木正博
1、市長の政治姿勢について
@市長の議会対応について
A議会案への対応について
B市長と特別職の実務状況について
渡部市長が就任してから8ヶ月になりました。まずは、これまで精力的に市政運営に当たられてきたことに敬意を表したいと存じます。渡部新市長が着任以来、市役所内の雰囲気もだいぶ変わってきたように思います。これは渡部市長の改革に掛ける意気込が職員に伝わった結果だと感じております。市職員が公僕としての自覚を持って誠心誠意、職務に精勤するよう望むものであります。渡部市長にはこれからもトップとしての指導力を十分に発揮していただき市政に取り組んでいただければ幸いと存じます。
さて、これまで渡部市長と接してきて感じたことや、意見を自分なりに率直に申し上げたいと存じます。
まずは市長の議会対応についてであります。
これまでの質疑の中で感じたことですが、意欲がみなぎるあまりか、自分の考えに固執しすぎるきらいがあるのではないでしょうか。そのために議論は噛み合わず一方通行となる質疑応答がたた見受けられました。自分の考えや信念を通すことはいいことですが、人の考えにも耳を貸す度量があって然るべきと思います。双方の意見を熟考し、理解しあえる環境づくりが必要と感じました。もっと納得ゆくまで議論を深める努力が欲しいところですが、如何でしょうか。市長の議会対応の考え方についてお聞かせください。
次に、議会案第64号について伺います。
ご承知のとおりここ数年にわたって議論されてきた地場産品販売センター設置については、紆余曲折を経て男鹿総合観光案内所への設置が望ましいとの意見が趨勢となっております。そこで、去る9月定例議会最終日において議員発議による議会案第64号、「地場産品販売施設の設置を求める決議(案)」が提出され可決されました。これは、産業建設委員会で審議が尽くされ、議員各位の賛同を得て決議されたものです。その議決の意義は大変重いものと考えます。
その後、当局では議決に対して何らかの取り組みはなされているのでしょうか。これまでの動向をお知らせください。また、今後どのように進めていかれる方針なのか市長の考えをお聞かせ願いたいと思います。
次に、市長と特別職の実務状況についてお伺いいたします。
市長が就任してから8ヶ月になりました。この間、精力的に市政運営に当たられておりますが、職員との連携や伝達は上手くいっているのでしょうか。スムーズに市政運営がなされていると思いますか。多忙を極めて職務に支障を来たすようなことはありませんか。これまで市政に携わってみて実感したことはなんでしょう。そして、これまでをご自分で総括して自己採点するとしたら100点満点の何点位になると思いますか。
以上、老婆心ながら聞いてみました。率直なところをお聞かせください。
また、7月1日付で市長が任命した特別職の教育長、並びに監査委員は就任してから6ヶ月目に入りました。この間、誠心誠意職務に励んでいる姿を見て感銘を受けております。教育長、監査委員とも、これまでの職歴で未経験な部分はあるものの、新たな職場環境の中で鋭意努力している様子が窺えます。
市長には任命権者として総括した意見を伺いますが、人事も定着して軌道に乗ってきたところだと思います。そこで、これまでを検証して、特別職人事についての満足度、達成度を採点すると何点くらいになると思いますか。それと、評価する点も含めて、お答え願いたいと思います。
以上よろしくお願いいたします。
2、船越駅周辺整備について
船越駅周辺整備につきましては、払戸踏切から船越駅までの狭隘道路の拡幅工事から始まり、駅前広場の整備を経て駅前南側の整備事業は平成21年3月に完了しました。今後は駅裏北側の整備事業へと続く予定となっていると思いますが、基本計画によると船越駅南北自由通路や北口交通広場の設置、北口交通広場へのアクセス道路の整備計画が策定されていたはずです。その後の計画はどうなっているのでしょうか。
以前、このことに係わる私の一般質問の答弁の中で、「南側整備完了後に駅前周辺の利用状況などを見極めるとともに、議会や地域のご意見を伺いながら、南北自由通路、北口交通広場並びにアクセス道路の整備などの実施時期や整備手法について検討することといたしております」との答弁がありました。その後、南側整備が完了して1年近くになりますが、我々議員や地域への意見収集はなされていないようであります。当局ではその後周辺の状況調査をしているのかどうか、今後の方針、見込みはどうなっているのかお示し願いたいと思います。
3、高校生の就職問題について
政府は11月月例報告で日本経済は緩やかなデフレ状況にあると宣言しました。新聞紙上では「失業者12ヶ月連続増に」「就職できない来春の高卒者」など、毎日のように雇用問題の記事が踊っています。長引く未曾有の経済不況の中、就職は超氷河期並みの状況が続き今後が気にかかるところであります。10月末の就職内定率は62.1%で、このうち県内就職の内定率は47.9%ということで、いずれも前年比の10ポイントから14ポイントの減となっております。特に県内就職希望者の半数以上が内定していないという厳しい状況であります。このように就職したくても就職先がなく悩んでいる高校生が多数いるということです。その中には止む無く専修学校への入学に進路を変更する生徒がおります。向学心に燃えて入学するのは結構なことですが、仕事が見つかるまでの腰掛程度で考えている生徒や保護者がいることも事実です。秋田県では就職支援の一環として就職できなかった生徒へ専修学校の学費助成などの方針を示しておりますが、しかし、これは問題の先送りであり、根本的な解決策にはならないと思います。人生最初の求職場面にあたり就職意欲が旺盛な時にタイムリーに就職することが最良だと思うからであります。今後も就職難が恒常的に続き閉塞感が蔓延すれば、若者の就職意欲の減退にもつながり、社会構造にも大きな影響を与えることになります。就職を希望する高校生の意欲に応え、豊かな人材を育成するためにも、雇用機会の拡大に、地域社会全体で取り組まなければなりません。
そこで、男鹿市の雇用状況と高校生の就職問題への取り組み方、地元高校への対応、就職内定率はどうなっているのかお尋ねいたします。
4、男鹿市の観光行政について
@男鹿観光の課題と現状
Aジオパーク構想について
Bなまはげサミットについて
11月12日に開催された男鹿市観光議員連盟と男鹿市観光協会との懇談会で協議された、男鹿観光の課題と現状から抜粋して申し上げます。
・男鹿の魅力である海岸線の雄大な景色や寒風山からの眺望などのこれまでの定番コースが除外されるケースが増えており、観光コースの偏りがみられる。
・半島内に点在する景観を阻害する廃屋。
・宿泊施設の廃業などによる減少、観光施設、観光産業の後退。
・二次アクセスの不備。
・施設のリニューアルオープンなどによる観光地間の競争の激化が予想される。
・観光動向の変化による県内全体への観光客減少への懸念。
・宿泊率の低下や消費単価の落ち込み。
などの報告がなされていました。
本市としては現場からのこのような課題と現状をどのように捉え、観光行政に反映していかれるのか、現状認識と指針をお示し願いたいと存じます。
次に、ジオパーク構想についてご提言申しあげます。
ジオパークとは、ユネスコが支援して2004年に設立された世界ジオパークネットワークが認定するもので、保護が主目的の世界遺産とは異なり、教育や研究、地質遺産を観光の対象とし、観光面での活用も重視される、ジオツーリズムを通じて地域の活性化を目指すものであります。男鹿地域は多様な地形や学術的価値の高い地質を持つ地層のメッカとして知られており、地質学者や学生が研究対象地として訪れています。特に国の天然記念物に指定された一ノ目潟と湖底から掘り出された「年縞」は世界から注目されているのはご承知のとおりであります。さらに西黒沢の貝の化石、安田の地層、他、多彩であります。このように男鹿地域は世界に誇れる資源の宝庫であり、ジオパーク実現の可能性は十分にあると指摘されております。
日本ジオパーク委員会によると、国内の取り組みは2007年ごろから始まり、2009年10月28日時点で日本ジオパークの認定は11ヶ所。うち、洞爺湖有珠山、糸魚川、島原半島の3地域が今年8月に世界ジオパークネットワーク加盟のジオパークとして認定されております。同事務局は「日本ジオパーク認定に向けた活動を進める地域は20を超え、運動に広がりが出てきている」と話しています。
そろそろ男鹿市でも関係機関と連携し本腰を入れて推進し、整備に取り組んだらどうでしょうか。認定された場合は知名度アップによる観光客増加と経済効果が期待されます。
市長のお考えをお聞かせください。
続いて、なまはげサミットについてであります。
地域自立の基礎は1人1人の自立であり、その原則を忘れるといつまでも自立できないのであります。自立心を高めて、男鹿の魅力を高めるために、もっとグローバルな視点と、フロンティア・スピリッツと、意識改革が必要ではないでしょうか。
地域振興策として、地域の魅力を住む人が再認識し、国内外に誇れるブランドを発信することが重要であると考えます。
そこで、なまはげサミットについてご提言申し上げます。
国際化といわれて久しいですが、海外との交流で、なまはげを海外ブランドに昇格させるための提言をいたします。
なまはげに似た風俗風習は日本のみならず世界の各地で行われています。それらを一堂に集めてシンポジウムと実演をさせてみてはどうでしょうか。いろいろな仮面があり、各国独特の装束、仕草や立ち回りが見られる楽しいイベントとなると思います。それぞれに歴史と伝統・文化があり興味深い話が聞けると思います。風俗習慣の違った人たちが一緒に共演することで異文化交流促進の機会ともなるでしょう。グローバル化に対応した外国人観光客の呼び水ともなります。いずれ内外の観光客を呼び込む男鹿の一大行事に発展する可能性があります。
このように「なまはげサミット」を立ち上げるという構想ですが、男鹿観光の一助になると思い提言いたしました。参考にしていただき、検討していただければ幸いです。
市長のご意見をお聞かせください。
以上で一回目の質問を終わります。